堀削や解体・撤去などの現場でお馴染みの建設機械(建機)がパワーショベルとバックホーです。
一般的には、大きな腕のような部分と、運転室、キャタピラーからなる姿をイメージするでしょう。
実はパワーショベルは「油圧ショベル」と総称される建機のうちの1つのジャンルであり、聞き慣れない「バックホー(バックホウ)」と呼ばれる形態もあります。
以前は、バックホウと呼ばれていましたが、最近は、バックホーと呼ばれています。
少しややこしいですが、ここでは「パワーショベル」と「バックホー」の特徴や違いについて説明します。
★パワーショベルという名称の生まれや用途について
エンジンと走行機能があり、油圧シリンダーで動く「腕」(ブーム・アーム)を備える建機を油圧ショベルと言います。
「ショベル」だけの意味としては土砂などを運ぶための道具のことを指し、かつてショベルは機械式の可動部分を持っていましたが、操作が簡単で正確な掘削ができる油圧式に取って代わられました。
「パワーショベル」と呼ばれるのは、建機大手メーカー小松製作所が商品名として使っていたためで、流通数が多いことから油圧ショベルのことをパワーショベルという社会通念が浸透したのです。
狭義のパワーショベルとしては、ショベル(バケット)の作用面は前方を向いていて、主に地表面よりも上の堀削に使われ、そのパワーを生かして土砂などを移動したりダンプカーなどに積んだり、地ならしなどにも使用されます。
★バックホーとはどのような形態で何ができるのか
油圧ショベルの形態の中で、アームの先端に取り付けたショベルの作用面が手前側のタイプを「バックホー」と呼びます。
作業としては機体側に手招きするように引き寄せる形になり、その形状から地表面よりも下の掘削に適しています。
★パワーショベルとバックホーの違いとは
見た目で判断できるのが、ショベル(バケット)の向きです。
進行方向側を向いているならパワーショベル、手前を向いているならバックホーとなります。
また、地表より上の掘削ならパワーショベル、下の掘削ならバックホーという使い分けをします。
現場の使用目的によっては、ショベルやアームなどを付け替えて様々な用途に使うことも可能で、建築現場や解体現場などで非常に頼もしい作業機械です。